02:ルドウィッグ


※この話は2014年4月に書いたものです。それを踏まえた上でお楽しみ下さい。

ナースデイジー
「さーて、今日も元気にお仕事するわよー! ……って、あら?」

ドクタールイージ
「あぁ……おはよう、デイジー姫」←マスク装備

ナースデイジー
「どうしたのよ、そのマスク? もしかして風邪?」

ドクタールイージ
「違うよ……花粉症の時期がやってきたから、その対策としてつけているんだよ」

ナースデイジー
「……花粉症って何?」

ドクタールイージ
「……ゴメン、何だって?」

ナースデイジー
「だから……花粉症って何なのよ?」

ドクタールイージ
「……ひょっとして、花粉症を知らないの……?」

ナースデイジー
「知ってたらこんなこと訊かないわよ!」

ドクタールイージ
「(……兄さん……この先やっていけるのか本気で心配になってきたんだけど……!)」

???
「おい、入るぞ」

ドクタールイージ
「あ、どうぞー」

ルドウィッグ
「ヘェックシュン!! ズズーッ……すまない、薬をもらいたいのだが――――」

ドクタールイージ
「はい、今すぐUターン。次の患者さん、どうぞー」

ルドウィッグ
「おい!? それが患者に対する医者の態度なのか!?」

ドクタールイージ
「いや、だって……ボクら、敵同士でしょ?」

ルドウィッグ
「何? ……あっ! オマエ、ひょっとして……マリオか!?」

ドクタールイージ
「ルイージだよ! ……まぁ、いつもと違う格好だし、マスクをつけているから余計に判別しにくいんだろうけどさ……」

ナースデイジー
「……ねぇ、アナタたち、知り合いなの?」

ドクタールイージ
「(……そう言えば、デイジー姫はルドウィッグと会ったことないんだっけ)まぁね……彼はクッパ7人衆の1人、ルドウィッグだよ」

ナースデイジー
「へー、そうなんだ。クッパ7人衆ってことは、ひょっとしてクッパの子供なの?」

ルドウィッグ
「……そう言われていた時期もあったな……今はなかったことにされて、ただの手下ということになっているがな」

ナースデイジー
「……よく分からないけど、何やら複雑な事情をお持ちのようね……」

ドクタールイージ
「うん……クッパJr.という1人息子が現れたことでね……」

ルドウィッグ
「……って、そんなことはどうでも良いんだ。それより薬をくれ、薬を」

ドクタールイージ
「う~ん……この場合、どうしたら良いものか……」

ナースデイジー
「渡してあげれば良いじゃない。敵同士と言っても、今は医者と患者なんだから」

ドクタールイージ
「……分かった。今は敵とか味方とか考えないことにするよ。それで、症状は何かな?」

ルドウィッグ
「それは……ハ……ハ……ハァックシュン!! ズズーッ……花粉症だ」←ちなみにマスク装備

ドクタールイージ
「やっぱりね……マスクをつけているから、何となくそんな気はしていたよ」

ナースデイジー
「……ねぇ、そろそろ教えてほしいんだけど、花粉症って何なの?」

ルドウィッグ
「……おい、ナースが花粉症を知らないってどういうことだ?」

ドクタールイージ
「ボクもついさっきそれを知ってビックリしたところだよ……」

ナースデイジー
「え、何、この疎外感……花粉症ってそんなにメジャーなものなの……?」

ドクタールイージ
「……ルドウィッグ、薬を渡すのは後で良いかな……? 放っておくと多分泣き出すだろうし……」

ルドウィッグ
「仕方な――――ィックシュン!! ズズーッ……手短にな」

 

 

 

 

 

ドクターマリオ
「花粉症はアレルギーの一種で、その名の通り、植物の花粉が鼻や目などの粘膜に接触することで引き起こされる症状なんだ。
 クシャミ、鼻水、鼻詰まり、目の痒みが主な症状で、これらを花粉症の4大症状と呼ばれているんだ」

キノピオ
「……あのー、ところでマリオさん。何で白衣のままなんですか……?」

ドクターマリオ
「気にしない気にしない」

ピーチ姫
「それにしても、目の痒みも花粉症によるものだったなんてね……知らなかったわ」

ドクターマリオ
「ちなみに症状には個人差があって、クシャミと鼻水がヒドかったり、鼻詰まりがヒドかったり、両方ヒドかったりする人もいるんだ。
 症状の程度も1人1人違うから、周りは花粉症にならないのに自分だけ花粉症になる……なんてこともある」

キノピオ
「うわぁ……それは嫌ですね……」

ヨッシー
「症状には個人差があるってことは、マリオさんたちはどうなの? ボクはクシャミと鼻水がヒドくて大変だよー……」

ドクターマリオ
「ボクは鼻詰まりだね……そうそう、ルイージも鼻詰まりがヒドいって言ってたなぁ」

キノピオ
「わたしは両方ですね……」

ピーチ姫
「わたくしは目が痒くて痒くて……鼻は今のところ大丈夫なんだけど」

ヨッシー
「デイジー姫はどうなんだろう? あの人は花粉症にかからなさそうな気がするけどなー」

ドクターマリオ
「花のお姫さまだけに? いやいや、いくら何でもそれは……あるかもね」

ピーチ姫
「それどころか、花粉症のことすら知らなかったりして」

キノピオ
「さすがにそれはないのでは……?」

 

 

 

 

 

ナースデイジー
「ふーん……花粉症ってそんなにツラいんだ……」

ルドウィッグ
「オマエが言うと何かムカつくな。そして羨ましい」

ナースデイジー
「何よ! なったことないんだから仕方ないじゃない!」

ドクタールイージ
「(……今の今まで知らなかったってことは、当然その対策もしたことないんだろうなぁ……そりゃ羨ましくなるよ)
 あ、ところで、他のコクッパたちの様子はどうなのさ?」

ルドウィッグ
「どうだろうな……特にそれらしい様子はなかったから、少なくともワタシほどヒドくは――――ァックシュン!! ……ないと思う」

ドクタールイージ
「……なるほどね」

ナースデイジー
「ねぇねぇ、コクッパって? クッパ7人衆じゃないの?」

ドクタールイージ
「あぁ……昔は彼らのことをそう呼んでいたんだよ。だから今でもたまにコクッパと呼んじゃうことがあるんだ」

ナースデイジー
「へー、じゃあわたしもそう呼ぼうかしら。コクッパの方が呼びやすいし」

ルドウィッグ
「いや、やめてくれ。クッパ7人衆で統一してくれないと自分たちが何なのか時々分からなくなる」

ドクタールイージ
「(切実だなぁ……)ともかく、花粉の時期は長いからね。完全に過ぎ去るまでは油断しない方が良いよ」

ルドウィッグ
「そうだな……他のヤツらにも一応そう伝えておく。もしレースに支障が出たらクッパさまに怒られるしな……」

ナースデイジー
「レース? ひょっとして、アナタたちも来月のレースに出るの?」

ルドウィッグ
「ああ。クッパさまの命令でな」

ナースデイジー
「……この前のキノピコと言い、みんなレースに向けて体調管理を徹底しているのねぇ」

ドクタールイージ
「(ボクらは毎回出ているからあまり気にならないけど、そうじゃない人にとっては大変なことなんだろうなぁ)」

ルドウィッグ
「とにかく、薬はもらっていくぞ」

ドクタールイージ
「うん、お大事に」

ルドウィッグ
「フッ……まさか敵であるオマエに『お大事に』なんて言われるとはな……」

ドクタールイージ
「ボクだって、敵であるキミにこんなこと言うなんて思いもしなかったよ」

ルドウィッグ
「……まぁいい。失礼した」←退室

ドクタールイージ
「……ふぅ、まさかルドウィッグが来るとは思わなかったよ」

ナースデイジー
「でも良かったじゃない。これからは『あのクッパ軍も行きたくなる診療所』として宣伝できるわよ!」

ドクタールイージ
「……それだと患者が敵キャラばかりになりそうだからやめておこう」

ナースデイジー
「えー? 良い宣伝文句だと思ったのに……」

ドクタールイージ
「(そもそも、診療所って宣伝しちゃいけなかったような……)」

 

 

 

 

 

THE END……?



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